ガス式の業務用ピザ窯のメリット・デメリット~おすすめ製品も紹介~
2025.10.12
- 飲食店の開業

ピザを提供する飲食店にとって、焼き上がりの質を大きく左右するのが「窯」の性能です。
この中でも、ガス式の業務用ピザ窯は扱いやすさと安定した火力を両立できることから、レストランやカフェ、ホテルのビュッフェなどで導入が進んでいます。
一方で、「ガス式と薪窯では味に違いがあるのか」「ランニングコストはどれくらい違うのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ガス式業務用ピザ窯の特徴・メリット・デメリットを整理し、導入事例やおすすめ機種までご紹介します。
店舗の規模や目的に合った最適な窯を選びたい方は、ぜひ参考にしてください。
業務用ピザ窯の種類
業務用ピザ窯は、使う燃料によって「薪式」「ガス式」「電気式」の3種類に分かれます。
それぞれの特徴をまとめると、以下の通りです。
種類 | 特徴 |
薪式 | 高温で香ばしく焼ける。薪の香りがピザに移り、本格的な風味を再現できる。一方で扱いが難しく、導入・維持コストも高め。 |
ガス式 | 火力・温度を安定的に調整でき、扱いやすい。設置場所を選ばず、コストバランスにも優れる。 |
電気式 | ボタン操作で手軽に使用可能。煙が出ないため屋内や商業施設にも設置しやすい。 |
薪式は、ナポリピッツァのような本格的な味や雰囲気を大切にする店舗に選ばれることが多く、ガス式は、レストランやカフェ、ホテルなど幅広い業態で導入しやすく、バランスの取れたタイプです。
電気式は、小規模店舗やテイクアウト中心のお店など、手軽さを重視する場合に使用されます。
業務用ピザ窯の選び方についてより詳しく知りたい方は、「業務用ピザ窯はどう選ぶ?種類や選ぶ際のポイントを徹底解説」を参考にしてください。
ガス式の業務用ピザ窯のメリット
ガス式の業務用ピザ窯は、扱いやすさと安定した火力の両立が最大の特徴です。燃料補給や火加減の調整が容易なうえ、立ち上がりも早いため、忙しい店舗運営でも効率よくピザを焼き上げられます。
ここからは、ガス式を選ぶメリットを具体的に見ていきましょう。
温度調節がしやすい
ガス式ピザ窯の最大のメリットは、火力を安定的に保ちながら温度を自在にコントロールできる点です。
ガス量の調整で瞬時に火力を変えられるため、焼きムラを防ぎ、常に均一な仕上がりが得られます。またデジタル温度計を組み合わせれば、ナポリピザやアメリカンピザなど、種類に合わせた最適な温度設定が可能です。
来店状況に応じて温度を素早く調整できるため、忙しい店舗にとってはメリットに感じられやすいでしょう。

操作が簡単
ガス式ピザ窯は、誰が使っても安定した焼き上がりを再現できる操作性の高さが特徴です。
着火はボタンやライターで簡単に行え、薪式のような火起こしの手間や技術が不要になります。
新人やアルバイトスタッフでも比較的すぐに扱えるため、少人数でも営業がまわりやすく、スタッフ育成や人件費の負担軽減にもつながります。
燃料コストが低い
ガス式ピザ窯は、他の燃料方式に比べて燃料費や管理コストを抑えやすいのがメリットです。
ガスは薪や電気と比べて価格が安定しており、急な高騰や供給停止のリスクが少ないため、年間を通じて予算を立てやすくなります。さらに燃焼効率が高く、少ないガス量で高温を維持できるため、無駄なエネルギー消費も防げるでしょう。
薪のように在庫を抱えたり保管スペースを確保したりする必要もなく、日々の運用負担も軽減できます。
燃料の入手や補給も容易なため、長期的な視点で見ると経済的な選択肢のひとつです。
メンテナンスしやすい
ガス式ピザ窯は、日常の清掃や点検を省力化でき、長期的に安定稼働しやすいのもメリットです。
例えば、燃焼時に灰や煤がほとんど発生しないため、庫内や床を汚しにくく、閉店後の清掃時間を短縮できます。
薪式の場合は煙突の掃除や灰出しが必要ですが、ガス式は不要なため厨房を常に清潔に保ちやすい構造です。さらにシンプルな内部構造なので、バーナーや点火装置などの部品交換も容易になります。
こうしたメンテナンスの負担が減ることで、スタッフの作業効率が向上し故障による営業停止リスクも抑えられます。
バリエーションが豊富
ガス式ピザ窯は、店舗の規模や環境に合わせて選びやすい特徴があります。
薪式は大型で重量があり、排気設備や煙の問題からテナントでは導入できない可能性もありますが、ガス式はコンパクトなモデルも多く、限られた厨房スペースにも設置しやすい構造です。
価格帯にも幅があり、小規模なカフェから本格的なレストランまで用途に応じて選択できます。さらに外装デザインのバリエーションも豊富で、石張りやステンレス仕上げなど、店舗の雰囲気に合わせた空間づくりとしても人気です。
「自分の店に置けるか不安」という導入初期の悩みを解消できる点が、ガス式の大きなメリットです。

ガス式の業務用ピザ窯のデメリット
ガス式ピザ窯は扱いやすさと安定性に優れる一方で、薪式のような「木の香り」や「独特の焼き上がり」を再現するのは難しい点がデメリットです。
また、火加減を自動で一定に保てる構造のため、炎の動きや温度変化を細かく操る調理法にはやや不向きです。したがって、薪式に比べると、焼き上がりの個性や香ばしさの表現力は劣ってしまう可能性があります。
とはいえ、ガス式は品質を安定させたい店舗や、多店舗展開を目指す場合には十分な性能を発揮します。
ガス式ピザ窯の導入事例:イタリアンダイニング ベルラーゴ様
滋賀・琵琶湖ホテル内にある「イタリアンダイニング ベルラーゴ」様は、地産地消の食材を活かした“ビュッフェ×イタリアン”をテーマに、出来立ての料理を提供されています。
お客様の目の前で仕上げるライブキッチン演出を重視されており、短時間で高温調理ができるガス式ピザ窯をご採用いただきました。
薪式に比べて制御が容易、かつ誰が扱っても品質を安定させやすい点が導入の決め手です。
ホテル運営上、常に専任スタッフを置くことが難しい中でも、ガス式ピザ窯なら安定した品質を実現しやすいです。
導入後はピーク時でもスムーズに提供できるようになり、焼き上がる様子がそのまま「体験価値」となってお客様の満足度向上にもつながりました。
空間デザインとの調和を意識した銅色の外装も好評で、ライブ感と美観を両立する店舗づくりをサポートできました。
こちらの実例は、「出来立ての臨場感。リニューアルで磨いた“ビュッフェ×イタリアン”」に詳しくまとめています。ぜひ導入の参考にしてください。
おすすめのガス式業務用ピザ窯
スマート・イノベィションズでは、店舗規模や業態に合わせて選べる複数のガス式ピザ窯を展開しています。
ここでは、安定性・省スペース・高火力の3点を軸に、異なる特徴をもつ3モデルをご紹介します。
いずれも天然溶岩石炉床による高い遠赤外線効果で、薪窯に近い焼き上がりが特徴です。厨房環境や設置条件に合わせて、最適な熱源(ガス・電気など)を選択できます。
プレゼンザ

断熱性と再現性を兼ね備えた、オールラウンドな業務用モデルです。
三方向からの熱(伝導・対流・輻射)をバランス良く制御し、外は香ばしく中はしっとりとした理想的な仕上がりを生み出します。
高断熱構造により厨房の温度上昇を抑え、快適な作業環境と安定性を両立させました。また、ガス・電気・薪のいずれにも対応し、既存厨房にも導入しやすい柔軟さも特徴です。
ホテルレストランや長時間営業のカジュアルイタリアンなど、安定稼働を重視する店舗におすすめできます。
詳しい仕様はプレゼンザ製品ページをご覧ください。
キアロ

キアロは軽量設計と高火力を両立した、省スペース型のピザ窯です。
上火式の熱対流と溶岩石炉床によって、コンパクトながら本格的な石窯の味を再現。分割構造で搬入が容易なため、イベント出店や移動販売にも柔軟に対応できます。
小規模カフェやバー、テイクアウト併用店舗など、「改装せずにピザを始めたい」店舗におすすめです。
ガス・電気の両仕様を展開している点も特徴で、商業施設などテナントに制約がある環境でも安心して導入できます。
詳しくはキアロ製品ページをご覧ください。
フォルテッツァ

狭い厨房や複雑な動線でも本格ピザ窯を導入したい場合は、薄型設計のフォルテッツァが最適です。
フォルテッツァは業界最薄クラスの奥行80cmで、導線を圧迫せずに設置できるほか、分割搬入にも対応しています。
重厚感のあるマットブラック外装が空間演出にもなり、ライブキッチン型店舗にも見栄えします。高断熱構造と天然溶岩石炉床を使用し、連続焼成時でも安定した高温を維持できる点も魅力です。
都市部のレストランやホテルダイニングなど、限られたスペースでもクオリティを妥協したくない店舗におすすめできます。
詳しい仕様はフォルテッツァ製品ページをご覧ください。
ガス式ピザ窯のことならスマート・イノベィションズにご相談ください!
業務用のピザ窯は、焼き上がりの質だけでなく、店舗の運営効率や雰囲気づくりにも大きく関わる重要な設備です。
しかし、燃料の種類・設置条件・厨房動線など、各要素が複雑なため、最適な1台を選ぶのは簡単ではありません。
スマート・イノベィションズでは「どんなピザを提供したいか」という理想像から逆算し、店舗の規模や環境に合わせた最適な窯をご提案しています。
デザインやサイズ、熱源のカスタマイズにも柔軟に対応可能です。
ガス式をはじめ、各種業務用ピザ窯の導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
お客様の店舗づくりを、最適な一台でサポートいたします。
フードトータルデザインのピザ窯一覧はこちらよりご覧ください。
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この記事を書いた人
販売管理部 取締役
住宅メーカーでの接客・ゾーニング・CAD提案を経て、厨房業界へ転身。以後10年にわたり、大手チェーン店案件を中心に現場調査→プランニング→積算→施工までを一気通貫で担当してきました。設計・施工・運用の全工程を把握したうえで、導入計画と現場オペレーションの整合を取ることを重視しています。
現在は自社製品の販売を統括。お客様の「うまく言語化されていない本音や制約条件」を丁寧に引き出し、レイアウト最適化、導入コストとスケジュール、運用負荷、契約・リスクの確認ポイントまで踏み込んで提案するのが持ち味です。法学部で培った合意形成・契約視点を背景に、コラムでは導入・設置・運用・コスト試算の実務的観点を中心に、現場で役立つ判断基準を解説します。
「ご用聞きではなく、潜在課題の言語化と解決」が信条。プライベートでは釣りとアガベ栽培に熱中し、環境条件の管理や段取りの大切さを日々の仕事に生かしています。