業務用オーブンの選び方~種類やチェックポイントを徹底解説~
2025.11.17
- 飲食店の開業

「肉料理をもっとジューシーに焼き上げたい」「一度にたくさん調理したい」
そんな悩みを解決するのが業務用オーブンです。
火力・容量・機能性など、家庭用とは大きく異なる特徴があり、店舗のメニューや調理スタイルに合った選定が重要です。
本記事では、飲食店に適した業務用オーブンの種類と選び方をメーカー視点から、詳しく解説します。
これから業務用オーブンの導入や買い替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
飲食店の成功を左右する業務用オーブン
飲食店にとってオーブンは、ただの加熱機器ではありません。
火の通り方や温度のムラによって、料理の見た目や食感、提供スピードまで左右されます。
特に肉や野菜を扱う店では、外側を香ばしく焼き上げながら中をジューシーに保つ安定した火加減が重要です。
また、調理時間の短縮や一度に複数品を仕上げられる効率の高さも、売上や回転率に直結します。
業務用オーブンは「導入するかどうか」ではなく、「どんなオーブンを選ぶか」で、日々の営業とお店の評価が大きく変わります。
次の項目から、業務用オーブンの種類や特徴を詳しく見ていきましょう。

業務用オーブンと家庭用オーブンの違い
業務用オーブンは家庭用と見た目が似ていても、高火力で大量調理に対応でき、長時間の連続使用にも耐えられるよう設計されています。
ここでは、火力・容量・耐久性・価格の4つの観点から違いを解説します。
火力
業務用オーブンは、家庭用に比べて火力が高く、予熱もスピーディーです。
庫内全体に均一に熱が伝わるため、焼きムラが少なく、肉や野菜を理想的な状態に仕上げられます。
| 比較項目 | 家庭用オーブン | 業務用オーブン |
| 最高温度 | 約200~250℃ | 約250~300℃ |
| 予熱速度 | 約10~15分 | 約5~8分 |
| 火力の均一性 | ムラが出やすい | 均一に加熱できる |
高火力と均一な熱伝導で、外は香ばしく中はしっとり焼き上げられるのが業務用オーブンの強みです。

一度に調理できる量
業務用オーブンは、一度に複数の料理を効率よく仕上げられる点が大きな魅力です。
家庭用では大型でも3段ほどが限界ですが、業務用なら小型機でも同時に複数皿を焼き上げられます。
| 比較項目 | 家庭用オーブン | 業務用オーブン |
| 段数の目安 | 2~3段 | 4~6段(機種による) |
| 一度に調理できる量 | 約5~6人分 | 10~20人分以上 |
まとめて調理できることで、ランチタイムのピーク対応やテイクアウトメニューの大量仕込みもスムーズになります。
「小規模店だから家庭用で十分」と考えていた場合でも、少し大きめの業務用オーブンを導入するだけで、販売機会を広げられるのが大きなメリットです。
耐久性と機能性
家庭用オーブンは、週に数回の使用を想定した家電として設計されています。
一方で業務用オーブンは、毎日の営業で長時間稼働することを前提に作られており、高温での連続運転や頻繁なドアの開閉にも耐えられる堅牢さが特徴です。
また、家庭用では難しい温度・湿度の細かな制御や、メニューごとのプログラム設定など、効率的な調理を支える機能も充実しています。
スタッフの熟練度に関係なく、誰でも同じ品質で料理を仕上げられるのは業務用ならではの強みです。
価格
家庭用オーブンの相場は、一般的に5〜10万円前後です。
一方、業務用オーブンはサイズや機能によって幅があり、数十万円から数百万円と高額になります。
これは単に「業務用だから高い」というわけではなく、高温での連続稼働に耐える構造や、正確な温度管理・自動調理などの高機能を備えているためです。
初期コストはかかりますが、耐久性や作業効率を考えると長期的にはコスト削減につながる投資ともいえます。
業務用オーブンの種類①熱源
業務用オーブンは、熱源によって「ガス式」と「電気式」に大きく分かれます。どちらを選ぶかは、店舗の設備環境やメニュー内容、ランニングコストによって変わります。
それぞれの特徴を比較しながら、自店に合ったタイプを選ぶことが大切です。
| 特徴・メリット | デメリット | 向いている店舗例 | |
| ガス式 | ・立ち上がりが早く高火力・短時間で大量調理が可能 | ・設置にガス配管が必要・温度ムラが出やすい場合もある | 焼き魚・グリル料理・ステーキなど、高火力を求める店舗 |
| 電気式 | ・温度管理がしやすくムラが少ない・操作が簡単で省エネモデルも多い | ・高温調理にやや時間がかかる・電気容量の確保が必要 | 洋食・ベーカリー・デリなど、焼きムラを抑えたい店舗 |
厨房環境やメニューの特性に合わせて、「火力重視ならガス」「温度の安定性重視なら電気」を目安に選ぶと失敗がありません。
業務用オーブンの種類②用途
業務用オーブンは、加熱の仕組みや用途によっていくつかのタイプに分かれます。
パンやお菓子作りに向いたものから、肉・魚・野菜をふっくら仕上げるタイプまで、それぞれに得意分野があります。
ここでは、飲食店でよく使われるデッキオーブン・コンベクションオーブン・スチームコンベクションオーブン・過熱水蒸気オーブンの特徴を紹介します。
デッキオーブン
デッキオーブンは、上下のヒーターで庫内を直接加熱するシンプル構造のオーブンです。熱の伝わり方が穏やかで、遠赤外線効果によって中までじっくり火が通る特徴があります。
パンやピザなどの焼き上げの香ばしさや、クラスト感を重視する調理に適しています。
また、鉄板やストーンプレートに熱をため込むため、肉やグラタンなどもふっくらと仕上げやすく、表面にしっかり焼き色をつけたい料理に向いています。
構造がシンプルで耐久性も高く、操作も直感的なため、初めて業務用オーブンを導入する店舗にもおすすめです。

コンベクションオーブン
コンベクションオーブンは、庫内のファンで熱風を循環させ、食材をムラなく加熱するタイプのオーブンです。
温度が均一に保たれるため、複数段で同時に調理しても仕上がりの差が少ないのが大きな特長です。
グラタン・ローストチキン・焼き魚・焼き野菜など、一度に多品目を均一に仕上げたい店舗には喜ばれるオーブンです。油を使わずに表面をパリッと仕上げられるため、ヘルシー志向のメニュー展開にも向いています。
コンベクションオーブンは種類が多く、ガス式・電気式、省スペース・省エネ性を重視したモデルも豊富です。
扱いやすく汎用性が高いため、飲食店のメインオーブンとしても導入率の高いタイプです。
スチームコンベクションオーブン
スチームコンベクションオーブンは、熱風と水蒸気を組み合わせて加熱する多機能タイプのオーブンです。
焼く・蒸す・煮る・温め直すなど、1台で複数の調理方法に対応できるのが特長です。
スチームによって庫内の湿度が保たれるため、肉や魚は外は香ばしく、中はしっとりと仕上がります。
また、野菜の色や栄養を損なわずに調理できるため、素材を大切にする志向の店舗にも向いています。
導入コストは高めですが多数の機能が1つになっているため、人手不足対策や厨房効率の改善にも役立ちます。
複数メニューを扱う店舗や、品質の安定を重視する飲食店におすすめです。
過熱水蒸気オーブン
過熱水蒸気オーブンは、100℃以上に加熱した水蒸気を使って調理するタイプのオーブンです。
高温の蒸気が食材の表面を包み込み、余分な油や塩分を落としながらふっくら仕上げられるのが特徴です。
揚げ物の温め直しやヘルシーメニューの調理に向いており、脂質を抑えつつおいしさを保ちたい店舗に最適です。
スチコンより機能はシンプルですが、コンパクトで省エネ性が高い点が魅力です。
業務用オーブンの選び方
業務用オーブンを選ぶときは、機能の多さよりも自店の営業スタイルに合うかどうかが重要です。
調理量や設置スペース、スタッフの使いやすさ、サポート体制などを総合的に確認することで、無駄のない導入ができます。
ここでは、購入前に必ずチェックしておきたい4つのポイントを紹介します。

一度に調理する量を把握する
業務用オーブンを選ぶ際は、店舗の席数やピーク時の提供数、メニュー構成をもとに必要な容量を把握しましょう。
天板1枚あたりで調理できる数や、料理ごとの焼成時間を確認すると、同時調理のしやすさが見えてきます。
また、仕込み量や将来的なメニュー追加も考慮し、少し余裕のあるサイズを選ぶのが安心です。
容量に余裕があれば、混雑時でもスムーズに提供でき、回転率の向上にもつながります。
設置場所とサイズを確認する
業務用オーブンは、サイズだけでなく設置場所との相性も重要です。
扉の開閉や天板の出し入れに十分なスペースがないと、作業がしにくく安全面にも影響します。また、作業台やシンクとの距離、スタッフの動線を考慮して、調理中の行き来がスムーズになる配置を意識しましょう。
さらに、ガスや電源、換気設備、搬入経路まで事前に確認しておくと、設置時のトラブルや追加費用を防げます。
操作や手入れがしやすいものを選ぶ
オーブンは毎日使う設備であり、操作性と清掃のしやすさも大切なポイントです。
操作パネルが見やすく、タッチ式やダイヤル式などスタッフ全員が直感的に扱える設計を選ぶと作業効率が上がります。
また、庫内がフラットで油汚れを拭き取りやすい構造や、トレイやパーツを簡単に外して洗える仕様を選ぶと、衛生管理もしやすく便利です。
日々のメンテナンスが楽な機種は、長く安定して使えるコスト面のメリットにもつながります。
アフターサービスが充実しているメーカーを選ぶ
オーブン選びでは、アフターサービスの充実度を見落としがちですが、長く使うためには欠かせない要素です。
保証期間や保証内容、故障時の対応スピード、修理部品の供給体制を事前に確認しておきましょう。
万が一トラブルが起きた際にすぐ対応してもらえるメーカーなら、営業への影響を最小限に抑えられます。
導入後のフォロー体制まで含めて比較することで、安心して使い続けられる一台を選べます。
おすすめの業務用オーブン
フードトータルデザインの「ハイパーグリル」は、短時間で肉や野菜をジューシーに焼き上げたい店舗におすすめです。
炉壁から放たれる高射熱(遠赤外線)で表面をすばやく焼き固め、肉汁を閉じ込めながら内部までしっかり火を通します。
多段トレー構造により、食材の厚みや油分に合わせて火加減を調整でき、ピーク時の大量調理にも対応可能です。
仕上がり・スピード・歩留まりのすべてを両立したい方は、ぜひ「ハイパーグリル」をご覧ください。
製品の詳細や導入事例は、フードトータルデザイン ハイパーグリルで確認できます。

自分のお店に合う業務用オーブンを見つけよう!
業務用オーブンは、火力・容量・設置性・操作性などを総合的に見て、自店に合った一台を選ぶことが大切です。
どのメニューを、どの回転率で、どの品質で提供したいかを明確にすることで、機種選定の方向性がぶれません。
スマート・イノベィションズが展開するフードトータルデザインでは、オーブンをはじめとする厨房機器のトータル提案に加え、オペレーション設計やメニュー開発のサポートも行っています。
理想の厨房づくりを一緒に考えたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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この記事を書いた人
販売管理部 取締役
住宅メーカーでの接客・ゾーニング・CAD提案を経て、厨房業界へ転身。以後10年にわたり、大手チェーン店案件を中心に現場調査→プランニング→積算→施工までを一気通貫で担当してきました。設計・施工・運用の全工程を把握したうえで、導入計画と現場オペレーションの整合を取ることを重視しています。
現在は自社製品の販売を統括。お客様の「うまく言語化されていない本音や制約条件」を丁寧に引き出し、レイアウト最適化、導入コストとスケジュール、運用負荷、契約・リスクの確認ポイントまで踏み込んで提案するのが持ち味です。法学部で培った合意形成・契約視点を背景に、コラムでは導入・設置・運用・コスト試算の実務的観点を中心に、現場で役立つ判断基準を解説します。
「ご用聞きではなく、潜在課題の言語化と解決」が信条。プライベートでは釣りとアガベ栽培に熱中し、環境条件の管理や段取りの大切さを日々の仕事に生かしています。

