業務用 焼肉ロースターの種類と選び方を徹底解説
2025.12.08
- 飲食店の開業

焼肉店を開業・リニューアルする際、欠かせないのが「焼肉ロースター」の選定です。
熱源の種類や煙対策、デザインなど、検討すべきポイントは多岐にわたります。
最近では、快適な空間づくりのために無煙ロースターへの需要が高まっており、店舗のコンセプトに合わせた機器選びが重要です。
本記事では、業務用焼肉ロースターの種類や選び方をわかりやすく解説。
トータル厨房設計を手がけるフードトータルデザインが提案する「風雅」の特長もご紹介します。
焼肉店の開業やリニューアルでロースター選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
焼肉店に必要な厨房機器
焼肉店を開業する際には、まず一般的な飲食店と同様に、冷蔵・冷凍庫や調理台、シンク、食器洗浄機、ガスコンロ、製氷機といった基本的な厨房機器が必要です。
そのうえで、焼肉店ならではの設備として欠かせないのが、焼肉ロースターや換気設備、肉のスライサーなどです。
特にロースターは、店舗のコンセプトや提供スタイルに直結する「店の核」となる設備といえます。
また、熟成肉を提供する場合には、温度・湿度を一定に保つ専用のビーフセラーを導入すると、肉の品質管理や提供メニューの幅を広げることができます。
ビーフセラーについては、「熟成肉(ドライエイジングビーフ)の作り方とおすすめの熟成庫」でも紹介しています。
厨房機器の中でも、焼肉ロースターはお客様の体験に直結する重要な要素です。次に、最新のトレンドや導入のポイントを詳しく見ていきましょう。
関連:飲食店の開業に必要な厨房機器とは?費用相場や選ぶ際のポイント
業務用 焼肉ロースターのトレンド
近年、焼肉店では無煙ロースターの導入が主流になりつつあります。
煙やにおいが客席にこもりにくく、服に臭いがつきにくいなど、来店客の快適性を高めるだけでなく、空調効率の向上や店内の油汚れ防止にもつながるためです。
焼肉ロースターとは、肉や魚を焼くための調理器具のことで、焼肉専門店のほか、ホルモン焼き店や居酒屋、韓国料理店、ダイニングバーなど幅広い業態で利用されています。
以前は七輪や炭火を使う店舗も多く見られましたが、火起こしや炭・灰の処理などに手間がかかるうえ、換気や安全管理にも注意が必要でした。
これらの問題を解消でき、より衛生的で効率的な運営を実現する手段が「業務用の無煙ロースター」です。
新規開業はもちろん、リニューアル時の入れ替え機器としても導入が進んでいます。

無煙ロースターの導入がおすすめの店舗の特徴
無煙ロースターは、基本的にどの焼肉店にも導入メリットがあります。
ただし、特に次のような店舗では、その効果をより大きく実感できます。
・高層階や地下など、ダクト工事が難しい店舗
無煙ロースターは独自の吸排気機構で煙を吸い取るため、天井に大掛かりなダクトを設けにくい店舗でも導入しやすいのが特長です。
・テナントビルや住宅街など、煙やにおいへの配慮が必要な立地
店外排気を抑えられるため、近隣環境への影響を最小限にできます。
・客席が狭いor空調を効かせたい店舗
煙や熱気が店内にこもりにくく、冷暖房効率を維持しながら快適な空間を保てます。
・清潔感を重視したい店舗
壁や天井への油汚れの付着を防ぎ、内装の劣化を抑えられます。
・少人数スタッフで運営する店舗
炭火の火起こしや片付け作業が不要になり、業務負担を大幅に軽減できます。
・レイアウトを柔軟に変更したい店舗
天井ダクトに縛られないため、席配置や店舗デザインを変更しやすい点もメリットです。
無煙ロースターは、省スペース・省エネ・快適性を兼ね備えた設備です。限られたスペース・人員でも、質の高いサービスを維持したい店舗に向いています。
業務用 焼肉ロースターの種類
業務用焼肉ロースターには、さまざまなタイプがあります。
大きく分けると、「熱源の違い」「煙の処理方式」「焼き面の形状」の3つに分類できます。
ここでは、それぞれの特徴やメリットを順に見ていきましょう。

熱源
焼肉ロースターの熱源には、主にガス式と炭火式があります。
無煙ロースターではガス式が主流で、放熱板や溶岩石、セラミック炭などの素材によって焼き上がりやメンテナンス性が異なります。
・ガス式(放熱板・溶岩・セラミック炭など)
火力調整がしやすく煙も出にくい、手入れも簡単なタイプです。
溶岩石やセラミック炭を使うタイプでは、遠赤外線効果によってジューシーに焼き上げられます。
・炭火式(ガス着火タイプ含む)
実際に炭火で焼くため、香ばしさや雰囲気を重視する店舗に人気があります。
ただし、炭火の扱いに手間がかかるため、省力化を重視する店舗ではガス式を選ぶ傾向があります。
店舗のコンセプトや提供スタイルに合わせて、扱いやすさ・風味・コストのバランスを考慮して選ぶのがポイントです。
煙対策
もう一つの大きな違いは、煙やにおいをどのように処理するかという「排気方式」です。
主な方式には、下引きダクト式・上引きダクト式・ノンダクト式の3タイプがあります。
・下引きダクト式:テーブル下から煙を吸い込む方式、無煙ロースターの主流
客席で発生した煙をすぐに吸い取るため、天井が低い店舗でも快適な空間を維持できます。
・上引きダクト式:上部に設置したフードやパイプから煙を吸い上げる方式
排煙性能が高く、焼肉店らしい雰囲気を演出できるのが特長です。
・ノンダクト式:ロースター本体に排煙ファンやフィルターを内蔵したタイプ
店内で煙やにおいを処理できるため、ダクト工事が難しいテナントや高層階でも導入できます。
立地条件や内装デザインによって最適な方式は異なります。
設計段階で換気計画を立て、店舗全体の快適性を考慮して選定してみましょう。
焼き面
焼肉ロースターの「焼き面」は、食材を直接のせて焼く部分で、焼網とロストル(鉄板)の2タイプがあります。
・焼網タイプ
最も一般的で、肉のうまみを閉じ込めながら香ばしく焼き上げられます。網の隙間から余分な脂が落ちるため、ジューシーさと軽さを両立できるのが特長です。交換や洗浄も手軽で、導入コストを抑えたい店舗にも向いています。
・ロストルタイプ
鋳鉄やステンレス製のプレートを使うタイプで、熱伝導が均一なため分厚い肉もムラなく焼けます。油の落ちる溝や傾斜が付いた設計も多く、煙や油ハネを抑えられるため、無煙ロースターによく採用されています。
どちらのタイプも一長一短があるため、提供メニューやメンテナンス体制に合わせて選ぶのがおすすめです。
業務用 焼肉ロースターを選ぶ際のポイント
焼肉ロースターを選ぶ際には、見た目や価格だけではなく店舗の環境や運営体制に合った機種を選ぶことが重要です。
主な検討ポイントは、「立地・環境」「コンセプトや客層」「メンテナンス性」「導入コスト」の4点にまとめられます。
ここからは、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

店舗の立地・環境
焼肉ロースターを選ぶ際は、まず店舗の立地や環境条件を確認しましょう。
排気ダクトの設置スペースや天井の高さ、物件の構造によって、導入できるロースターのタイプが変わります。
大規模なダクト工事が難しい高層階や地下テナントでは、ノンダクト式や下引き式などの無煙ロースターが適しています。一方、十分な天井高と換気スペースが確保できる路面店なら、上引きダクト式を採用することで排煙性能を最大限に発揮できます。
また、住宅街や複合商業施設内の店舗では、店外への煙やにおい漏れを最小限に抑える設計が求められます。
このように立地や環境に合わせてロースターの方式を選ぶことで、余計な工事コストを抑えながら、快適で清潔な空間づくりが可能になります。
コンセプトや客層
焼肉ロースターは、単なる調理機器ではなく店舗の体験価値を左右する設備です。
どのような客層を想定し、どんな雰囲気の店をつくりたいのかによって、最適なロースターの条件は変わります。
たとえば、落ち着いた高級店であれば、炎の見た目や焼き上がりの質が空間演出の一部になります。炭火や溶岩式など、味わいと演出性を両立できるタイプが最適です。
一方、食べ放題やファミリー向けの店舗では、操作が簡単で煙が少なく、スタッフの負担を減らせるガス式が適しています。
このように、顧客が求める体験や店舗のコンセプトを明確にすると、重視すべき機能が自然と見えてきます。
まずは、「自店のスタイルに合った優先ポイントを整理する」ことが、ロースター選びの第一歩です。
メンテナンス
焼肉ロースターは、一度導入すれば毎日使う“現場の主役”です。だからこそ、メンテナンスのしやすさが運営コストと安全性を左右します。
清掃や部品交換に時間がかかるロースターを選んでしまうと、閉店後の片付けが長引き、スタッフの負担が増えます。反対に、受け皿や網が簡単に外せて油汚れがたまりにくい構造のものなら、日常清掃が短時間で済み、衛生状態も安定します。
また、排気ダクトや内部の清掃は、放置すると煙詰まりや異臭などの原因になるため、清掃頻度や業者依頼のコストも含めて検討しておくことが大切です。
メンテナンス性を重視して選ぶことは、日々の業務を効率化し、衛生と安全を守りながら、機器を長持ちさせることに直結します。
導入コスト
焼肉ロースターの導入コストを検討する際は、本体価格だけでなく、ダクトや排気設備などの工事費・維持費まで含めて考えることが重要です。
一般的な排煙設備付きロースターでは、ダクト・配管・脱臭設備などの設置に300〜400万円規模の初期費用が発生します。さらに、年に数回のダクト清掃や脱臭装置のメンテナンスに年間50〜60万円前後の維持費がかかるケースも少なくありません。
一方、ノンダクトタイプのロースターは、排煙ダクトや配管、脱臭設備を必要としない構造のため、これらの費用をすべて削減できます。
導入時だけでなく、清掃や保守などのランニングコストも含めて比較することで、初期投資を抑えながら長期的に収益性の高い店舗運営を実現できます。
おすすめの業務用 焼肉ロースター
フードトータルデザインが手がける無煙×ノンダクト構造の「風雅(ふうが)」は、コスト・安全性・デザイン性をすべて両立できるロースターです。
独自の循環式煙除去システムにより、一般的な焼肉時の発生煙に比べて約70%の油煙を約70%カットしました。焼肉らしい香ばしさを残しながら、快適で清潔な空間を維持します。
ダクト工事が不要なため、初期費用や清掃コストを抑えられるほか、レイアウト変更やカウンター埋め込みにも柔軟に対応できます。
火加減は平均220℃で安定しており、肉の表面を素早く焼き固めてうま味を閉じ込める理想的な焼き上がりを実現。
無煙性・自由度・ランニングコストのバランスに優れたロースターとして、新規開業やリニューアルを検討する店舗にもおすすめです。
詳しくは「【無煙×燻香】業務用焼肉ロースター”風雅”|フードトータルデザイン」でご紹介しています。

業務用 焼肉ロースターのことならフードトータルデザインにご相談ください
業務用焼肉ロースターの導入は、単なる機器選びではなく、店舗運営そのものを左右する重要な決断です。
立地やコンセプト、メンテナンス性、コストのバランスを踏まえて選ぶことで、快適で利益の出やすい店舗づくりが実現します。
スマート・イノベイションズが行うフードトータルデザインでは、焼肉ロースターをはじめとする厨房機器の選定から、オペレーション設計・メニュー開発・開業支援・アフターメンテナンスまでを一括でサポート。実店舗の導入実績に基づいた最適なプランをご提案します。
「どのロースターを選べばいいかわからない」「コストや工事面が不安」などのお悩みも、お気軽にご相談ください。
プロの視点で、「理想の店舗作り」をお手伝いします。
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この記事を書いた人
販売管理部 取締役
住宅メーカーでの接客・ゾーニング・CAD提案を経て、厨房業界へ転身。以後10年にわたり、大手チェーン店案件を中心に現場調査→プランニング→積算→施工までを一気通貫で担当してきました。設計・施工・運用の全工程を把握したうえで、導入計画と現場オペレーションの整合を取ることを重視しています。
現在は自社製品の販売を統括。お客様の「うまく言語化されていない本音や制約条件」を丁寧に引き出し、レイアウト最適化、導入コストとスケジュール、運用負荷、契約・リスクの確認ポイントまで踏み込んで提案するのが持ち味です。法学部で培った合意形成・契約視点を背景に、コラムでは導入・設置・運用・コスト試算の実務的観点を中心に、現場で役立つ判断基準を解説します。
「ご用聞きではなく、潜在課題の言語化と解決」が信条。プライベートでは釣りとアガベ栽培に熱中し、環境条件の管理や段取りの大切さを日々の仕事に生かしています。

